RX-7 FD3Sの冷却系を調べていると、気になるのが電動ファンの羽根の枚数です。
「自分のFD3Sは4枚と5枚だけど正常なの?」
「後期FD3Sは7枚羽なの?」
「左右とも7枚にしたら冷却性能が上がる?」
「そもそも、なぜ左右で羽根の枚数が違うの?」
実はFD3Sの電動ファンは、前期と後期で仕様が変更されています。
そして今回調べて分かった重要なポイントが、
FD3SではNo.2側の電動ファンが、前期の4枚羽から後期の7枚羽へ変更されている
ということです。
さらに後期型では、電動ファンモーターの消費電力も160Wから120Wへ低減されています。
この記事では、FD3Sの電動ファンについて、羽根の枚数だけではなく、前期・後期の違い、部品番号、消費電力、交換時の注意点まで詳しく解説します。
FD3Sの電動ファンは「4枚・5枚・7枚」が存在する
まず結論です。
FD3Sの純正クーリングファンには、4枚・5枚・7枚羽の仕様があります。
ただし、
「FD3Sは○枚羽」
と一括りにするのは正確ではありません。
FD3Sでは、2つの電動ファンが使われており、前期・後期で仕様が変更されています。
特に重要なのがNo.2ファンです。
ドゥー・エンジニアリングによると、FD3Sは、
前期1~4型:No.2ファン 4枚羽
↓
後期5・6型:No.2ファン 7枚羽
へ変更されています。
これは2021年4月15日に公開された同社の記事で明記されています。
FD3S前期と後期の電動ファンの違い
FD3Sの電動ファンについて整理すると、重要なのは以下です。
| 項目 | 前期1~4型 | 後期5・6型 |
|---|---|---|
| No.2ファン | 4枚羽 | 7枚羽 |
| ファンモーター | 前期仕様 | 後期仕様 |
| 消費電力 | 約160W | 約120W |
| カプラー | 前期仕様 | 後期仕様 |
| 配線 | 前期仕様 | 後期仕様 |
ドゥー・エンジニアリングは、後期ファンへの変更によって、No.2側が4枚から7枚となり、前期160Wに対して後期は120Wの省電力化が可能になると説明しています。
つまり後期ファンは、
羽根が増えているのに、消費電力は下がっている
という点が非常に興味深いところです。
なぜ4枚羽から7枚羽になったのか?
ここはFD3Sオーナーとして気になるところです。
単純に、
「7枚の方が多いから、冷却性能が高い」
と考えるのは少し危険です。
電動ファンの性能は羽根の枚数だけで決まりません。
例えば、
- 羽根の形状
- 羽根のピッチ
- ファン径
- 回転数
- モーター性能
- シュラウド
- ラジエーターの通風抵抗
- 実際の風量
などが関係します。
そのため、
4枚<5枚<7枚
という単純な性能ランキングにはできません。
それでも後期7枚羽が注目される理由
FD3Sオーナーの間で後期ファンが注目される理由は明確です。
それは、
「純正状態でメーカーが変更した仕様」
だからです。
しかもドゥー・エンジニアリングによれば、後期型では羽根枚数の変更だけでなく、消費電力も160Wから120Wへ低減されています。
そのため、前期FD3Sの電動ファンを交換する際に、
「どうせ交換するなら後期仕様にしたい」
と考えるオーナーがいるのも納得できます。
前期FD3Sから後期電動ファンへ交換できる?
結論:交換は可能。ただし完全なポン付けとは限らない
前期FD3Sに後期電動ファンを取り付ける場合、ファン本体を買ってきて、そのままカプラーを差し替えれば終わりというわけではありません。
前期と後期では、
- カプラー形状
- 配線位置
- 配線仕様
などが異なります。
ドゥー・エンジニアリングも、前期から後期への交換ではカプラー形状や配線位置が違うため、そのままでは取り付けられないと説明しています。
そのため、交換する場合は変換ハーネスなどを使用する方法があります。
後期電動ファン変換ハーネスも存在する
現在、FD3Sの前期から後期電動ファンへ交換するための変換ハーネスも販売されています。
ドゥー・エンジニアリングでは、
FD3S 電動クーリングファン変換ケーブル
として、1~4型から5・6型の後期電動ファンAssyへ、カプラーオン・無加工で取り付け可能とするハーネスKitを販売しています。
これは、
「前期FD3Sだけど、後期電動ファンへ交換したい」
というオーナーにとって非常に便利な方法です。
後期純正クーリングファンの部品番号
純正部品を探す場合は、羽根枚数だけではなく部品番号の確認がおすすめです。
確認できた純正部品情報では、以下のクーリングファン部品番号が掲載されています。
Cooling Fan RF 1S -15-140
Cooling Fan RF 2A -15-140
純正部品カタログ系のデータでも、FD3Sの冷却システムにこれらの部品番号が掲載されています。
また、中古部品の掲載例では、
RF1S-15-140=7枚羽
RF2A-15-140=5枚羽
として販売されている例も確認できます。
したがって中古ファンを購入するときは、
「FD3S後期用」
だけではなく、実物の羽根枚数と部品番号を確認する
ことをおすすめします。
FD3Sの左右のファンは、同じ羽根枚数ではない
ここが今回の記事で一番重要なポイントです。
FD3Sの電動ファンを見ていると、
「左右で羽根の枚数が違う」
ことがあります。
実際、FD3Sオーナーからも「前期FDで左右が5枚と4枚になっている」という質問が出ています。
つまり、
左右の羽根枚数が違う=必ずしも異常
ではありません。
純正仕様として異なる羽根のファンが使われています。
「左右とも7枚」にすればもっと冷える?
ここは慎重に考える必要があります。
実際にFD3Sで、
7枚+7枚
へ変更している事例も確認できます。
2023年10月24日のFD3S整備事例では、ファンを7枚×7枚にした例が紹介されています。
ただし、
「7枚×7枚にすれば必ず純正状態より冷える」
と断定できるだけの一般化された比較データは、今回確認できませんでした。
したがって、KEN97 GARAGEでは、
7枚×7枚=絶対に最強
とは書かない方が正確です。
電動ファンは「羽根枚数」だけで比較してはいけない
例えば、同じ7枚羽でも、
- 羽根の角度
- 羽根の形状
- ファン径
- 回転数
- モーター出力
- シュラウド
- ラジエーター
が違えば、結果は変わります。
そのため、
「羽根が多い=風量が多い」
とは限りません。
本当に比較するなら、
CFMなどの風量や、静圧
などのデータまで比較する必要があります。
しかし、FD3S純正の4枚・5枚・7枚について、同一条件で測定した信頼できる風量比較データは今回確認できませんでした。
ここは「分からないものは分からない」としておくのが正確です。
FD3Sの電動ファンで重要なのは「モーターの劣化」
FD3Sは発売からかなりの年月が経っています。
そのため、現在のFD3Sでは、
「羽根の枚数」よりも「モーターが正常に性能を発揮しているか」
の方が重要になる場合があります。
実際、FD3Sの整備事例では、長期間使用した電動ファンモーターの交換が行われています。
電動ファンは、
- モーターの劣化
- ベアリングの劣化
- 回転数低下
- 異音
- ファンブレードの劣化
- シュラウドの劣化
などを確認したい部品です。
こんなFD3Sは電動ファンを点検したい
以下の症状があるなら、電動ファンを一度確認しておきたいところです。
渋滞すると水温が上がる
走行風が少なくなるため、電動ファンの性能が重要になります。
エアコン使用時に水温が上がる
コンデンサーとラジエーターの熱交換条件が厳しくなるため、冷却系全体の状態確認が必要です。
電動ファンの音が以前と違う
モーターやベアリングの劣化を疑います。
ファンの回転が弱く感じる
モーターの劣化などを確認したいポイントです。
サーキット走行で水温が厳しい
ファンだけでなく、ラジエーター、導風、シュラウド、クーラントなど冷却系全体を確認します。
中古のFD3S電動ファンを買うならチェックする5項目
中古部品を購入するなら、最低でも以下を確認しましょう。
① 羽根の枚数
4枚・5枚・7枚など、写真で確認。
② 部品番号
可能なら、
RF1S-15-140
RF2A-15-140
などの番号を確認。
③ モーター
ファンが正常に回るか確認。
④ コネクター
前期・後期で仕様が違うため確認。
⑤ 羽根の状態
ひび割れ、欠け、変形などがないか確認。
前期FD3Sオーナーなら後期ファンへの交換はアリ?
個人的にFD3Sを長く維持するという観点なら、
交換を検討する価値はある
と思います。
ただし、
「7枚だから交換する」
ではなく、
電動ファン自体が劣化しているなら、後期仕様への更新を検討する
という考え方がおすすめです。
特に、
- ファンモーターが古い
- 水温管理に不安がある
- 純正ファンを新品・良品へ交換したい
- 前期から後期仕様へアップデートしたい
という場合には、候補になります。
FD3Sの冷却性能を上げるならファンだけを見ない
FD3Sの冷却対策では、電動ファンだけを交換して終わりではありません。
次の項目も重要です。
ラジエーター
コアの詰まりやフィンの状態を確認。
シュラウド
電動ファンが作った空気を効率よくラジエーターへ通すために重要。
エア抜き
冷却水交換後などは適切なエア抜きが重要。
サーモスタット
正常に開閉しているか確認。
ウォーターポンプ
冷却水を循環させる重要部品。
クーラント
劣化や量を確認。
導風
走行風をラジエーターへきちんと導くことも重要です。
FD3S電動ファン「4枚・5枚・7枚」まとめ
最後に今回の内容をまとめます。
| 内容 | 確認できた情報 |
|---|---|
| 前期1~4型 | No.2ファンは4枚羽 |
| 後期5・6型 | No.2ファンは7枚羽 |
| 後期化 | 4枚→7枚 |
| 消費電力 | 160W→120W |
| 後期ファン部品番号 | RF1S-15-140 / RF2A-15-140 |
| 左右で枚数が違う | 純正仕様として存在 |
| 7枚×7枚 | 実際の交換事例あり |
| 7枚=必ず高性能 | 確認できません |
| 羽根枚数だけで冷却性能を判断 | できない |
結論|FD3Sの電動ファンは「何枚羽?」だけでは終わらない
FD3Sの電動ファンについて調べてみると、
4枚・5枚・7枚
という複数の仕様が存在することが分かります。
そして最も重要なのは、
前期1~4型のNo.2ファンが4枚羽、後期5・6型では7枚羽へ変更された
ということ。
さらに後期化によって、
160W → 120W
へ消費電力も低減されています。
ただし、
「7枚だから絶対に冷える」
と単純に考えるのはNGです。
電動ファンの性能は、
羽根枚数+羽根形状+回転数+モーター+シュラウド+ラジエーター
というシステム全体で決まります。
FD3Sはすでに旧車の領域に入ってきています。
だからこそ、
「何枚羽なのか?」
だけではなく、
「そのファンが今、ちゃんと仕事をしているのか?」
を見ることが大切です。
もし前期FD3Sの電動ファンを交換するなら、後期仕様へのアップデートは十分検討する価値があります。
ただし、交換する際は羽根枚数だけでなく、部品番号・モーター・カプラー・配線まで確認してから購入しましょう。
FD3Sを長く楽しむなら、冷却系のリフレッシュはかなり重要なメンテナンスポイントです。🚗🔥
参考・確認日
- ドゥー・エンジニアリング「FD3S 電動ファン変換カプラー」:2021年4月15日
- ドゥー・エンジニアリング「FD3S 電動ファン変換カプラー」:2024年5月31日
- ドゥー・エンジニアリング「電動クーリングファン変換ケーブル(FD3S)」:確認日 2026年9月8日
- Mazda純正部品カタログ系データ:RF1S-15-140 / RF2A-15-140 / N3G1-15-025
- FD3S電動ファン7枚×7枚の整備事例:2023年10月24日
※FD3Sは年式・型式・交換履歴によって実車の仕様が異なる場合があります。中古部品の購入・交換時は、現車の部品番号と形状を必ず確認してください。

